=前編=

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主要登場人物
名前:エクソダイバー
UO暦:73ヶ月
平和主義のメイジ。
対人戦は一切せず、ただモンスター狩りだけをしていて、
町にいる時はいつも占い稼業をしている。
名前:マグナテラ
UO暦:58ヶ月
エクソダイバーの友人。
典型的なアーチャーで、とにかくダメージを食らうことが嫌い。
名前:ベノナーガ
UO暦:39ヶ月
エクソダイバーの友人。
百戦錬磨のソードマンで、とにかく戦うことが好き。
名前:デッドワイルダー
UO暦:45ヶ月
エクソダイバーの友人。
オノ好きで狩りが大好きだが、携帯電話でプレイしてるため回線速度が遅い。
名前:カウンセラー・ソード
UO暦:60ヶ月
ベータ版の頃からUOを始めていた超古株。
某大手UOサイトの管理人をやっていたらしい。
名前:GMヘクソクロム
UO暦:?ヶ月
あまり評判のよくないGM。




2003年8月

その日の狩りを終えて家に戻った私は、戦利品を丁寧にチェストに収納していた。

「・・・・ん?」

私は、昨日入手したはずの Breath Of The Dead がなくなっていることに気がついた。

「おっかしいな〜。入手した後すぐに戻ってここに入れたのに。」

サーバがダウンして巻き戻ったという話はない。

また、誰もフレンド登録していないため、誰かが持っていったということもない。

「ま、またバグかなんかで消えたんだろう。いいや。」

大事なものが消えたというのに、私はいたって楽観的だった。



この時私は、それが破局の始まりであることを知るよしもなかった...。






















突然、デッドワイルダーから呼び出しがあった。

何やら「大事な話」があるらしい。





狩りを中断して急いでブリ銀前に急行。

私がブリ銀前に着いた時には、すでにベノナーガもマグナテラも着いていた。

エクソダイバー「で、大事な話って何?」

マグナテラ「早くしてくれよな。こっちは忙しいんだから。」

ベノナーガ「戦いの話なら乗るぜ。」





エクソダイバー「何かあったの?」

デッドワイルダー「なんていうかその...バグが出てるみたいなんだよ。」

エクソダイバー「...それだけ?」

デッドワイルダー「うん。」

エクソダイバー「なんだ、そんなことか〜。」

ベノナーガ「そんなの今に始まったことじゃないだろうが!」

マグナテラ「つまらない用事で人を呼ばないでくれ。帰るよ、もう。」

デッドワイルダー「そうじゃないって! 最近起こってるバグは尋常じゃないんだよ!」

エクソダイバー「え?」

デッドワイルダー「プレイができないほどのラグがひどかったり、
1日に何回もサーバダウン&巻き戻りが起きたり、
何もしてないのに突然アイテムが消えてしまったり、
突然NPCやモンスターが消えてしまったり。
今まではこんなにひどくなかったよね!?」

エクソダイバー「...。」

マグナテラ「...。」

ベノナーガ「...。」

エクソダイバー「そう言えば...確かに最近おかしなことが多いね。」

マグナテラ「君もそう思うか?」

ベノナーガ「オレにも思いあたるふしがあるな...。」

デッドワイルダー「最近さ、あまりにもラグやコネロスや巻き戻りがひどいんで、
GMコールして苦情を言ったんだよ。そうしたら...」

エクソダイバー「そうしたら?」





デッドワイルダー「てーんで話にならないよ。」

マグナテラ「でもさ、デッドワイルダーって携帯電話でUOに接続しているんだよね?」

デッドワイルダー「それでも、ここまでひどくはなかったよ。」

マグナテラ「そうか...。」

デッドワイルダー「ぼくは、auだから。」

ベノナーガ「そう言えばオレも最近ひどいことがあってよぅ。」

エクソダイバー「何かあったの?」

ベノナーガ「銀行の中身全部消えちまった。」

マグナテラ「ぶっ。」

エクソダイバー「まじ?」

ベノナーガ「もちろんGMコールして文句言ったぜ。イライラしてたしな。」

デッドワイルダー「それで?」

ベノナーガ「しかもコールした時には待ち人数が480人だってよ。」

マグナテラ「うわ...。」

ベノナーガ「それでさぁ...」





マグナテラ「なんだよそれ...。」

エクソダイバー「そこまでGMは狂ってしまったのか?」

デッドワイルダー「いっちゃってるかも。」

マグナテラ「あ、実はぼくも奇妙なことが起きてて。」

エクソダイバー「なになに?」

ベノナーガ「おお?」

マグナテラ「ついこの前土地を見つけてラージブリックを建てたんだけど、その次の日あたりから突然...」

ベノナーガ「何があったんだ?」





エクソダイバー「うへ〜、そりゃひどいね。」

ベノナーガ「わけわからんな。」

デッドワイルダー「レアアイテム取り放題かも。」

マグナテラ「そういう問題じゃないだろ。」

デッドワイルダー「エクソダイバーはどう?」

エクソダイバー「いやその...ゲットしたAFの黒ハテナがセキュアから消えちゃったよ。」

ベノナーガ「ひでえw」

マグナテラ「困ったもんだねぇ。」

エクソダイバー「あ、それと、三日前にブリの港で不思議な光景を目にしたよ。」

ベノナーガ「不思議な光景って?」

デッドワイルダー「何を見たの?」





マグナテラ「...。」

デッドワイルダー「...。」

ベノナーガ「...。」

エクソダイバー「...。」



何かがおかしい!

狂っている!

ゲームバランスが狂っているのはもともとだが、最近起こっていることはそういうレベルではない!

バグのような現象が多発するのは異常だが、それをGMが「仕様」と断言することの方がもっと異常だ。

このまま行ったら大変なことになる!

GMの気がふれたのか?

いいや、そうは思えない。

GMが種々のバグを容認している?

いいや、それも考えづらい。

小さなバグならわかるが、今起きてる現象はUOそのものを揺るがす問題だ。

それとも、GMは我々に何かを隠してる?

その可能性はある。

隠してるが故に、「仕様です。」の一言で済まそうとしているのかもしれない。

いずれにしても、真実をはっきりさせねばならない。





そう思った我々は、早速GMを捕まえて問いつめることにした。



















あー、いたいた。赤いローブの頑固者が。

誰かがコールした後らしい。今から帰るところのようだ。

さっそく私はGMに話しかけてみた。

エクソダイバー「あのう、もしもし。GMヘクソクロムさん。」

GMヘクソクロム「では、良い旅を。」

そう言ってGMヘクソクロムは歩き出した。

ベノナーガ「ちょっと待て! まだ何も言ってないだろうが!」

慌てて追いかける。

が、走ってる我々が歩いてるGMヘクソクロムに追いつかない。





エクソダイバー「待ってくださーい!」

ベノナーガ「待てこのドキュソGMがぁーっ!」

マグナテラ「最悪だねぇ、君は!」

そのままGMヘクソクロムを見失ってしまった。

仕方ないので一旦我々は解散した。



納得のできなかった私は、親しかったカウンセラー・ソードさんを呼び出すことにした。

カウンセラー・ソードさんだったら何か知ってるかもしれない。

私は期待を胸に、彼が来るのを待った。























エクソダイバー「遅いな〜。もうそろそろ来てもいい頃なんだけど。」



相変わらずわけのわからない登場の仕方をする人だ。

それはいいとして、私は早速話を切り出した。



エクソダイバー「最近おかしな現象が多発しています。それらは、単なるバグとは思えません。」

カウンセラー・ソード「...。」

エクソダイバー「GMに聞いても、皆『仕様です。』とごまかすだけで、何も教えてくれません。」

カウンセラー・ソード「...。」

エクソダイバー「GMは何かを隠しているんじゃないですか!? 知っているのならどうか教えてください!」

カウンセラー・ソード「実は...ここだけの話ですが...。」

カウンセラー・ソードさんは、重たい口を開いてくれた。



なんと、数々の奇怪な現象はバグではなく、コンピューター・ウィルスによるものだという。

GMの一人がウィルスバスターの更新を怠ったがために、このような事態に陥ってしまったとか。

しかも、現在使用しているUOのモジュールだけでなく、
UOの全バックアップデータや昔のソースファイルが存在しているサーバまでウィルスに侵されてしまったというのだ。

もはや修復不可能、かといってUOのサービスを停止するわけにもいかず、
結局GM達は「仕様です。」という言葉でごまかし通すというのだ。

なんということであろうか。

UOは今危機に瀕しているのだ。

我々プレイヤーは、黙ってUOが崩壊していくのを指をくわえて見てるしかないのか?



そう思った時、カウンセラー・ソードさんが意味深なことを言い出した。

カウンセラー・ソード「1つだけ方法があります。それは、オンライン上のある場所に...」





むむっ!?

エクソダイバー「ソードさん!? ソードさん!? どこ行ったんですか!?」

突然、カウンセラー・ソードさんは消えてしまった。

どうもそれは、自分から去ったというより、「消されてしまった」かのように見えた。

その後私は何度も何度もコールをしたが、カウンセラー・ソードさんは二度と現れなかった。

一体何があったのだろう...?

わからない。

ただ1つ言えることは、もうおそらくカウンセラー・ソードさんと話すことはないだろうということだ。

一抹の不安を抱きながら、私はその場を後にした。



夜になって、いきなりデッドワイルダーからICQが飛んできた。

どうやら大変なことが起きたようだ。

デッドワイルダー「わ〜わ〜!」

エクソダイバー「どうした!?」

デッドワイルダー「大変だ〜!!」

エクソダイバー「何があったんだ!?」

デッドワイルダー「何もしてないのに突然コネロスして、再ログインしようとしたらアカブロックになってた><」

エクソダイバー「えー!?」

デッドワイルダー「規約に触れるようなことは何もしてないし、GMにも会ってないよ。
もちろんOSIからのメールは来てないし、つい一週間前にゲームタイム登録したばっかりだったのに!!」

エクソダイバー「なんてこったい...。」

デッドワイルダー「まぁ、おそらく48時間か72時間で復活できると思う。それまでみんなと一緒に頑張っててね。」

エクソダイバー「ああ、わかった。待ってるよ。」



いよいよUOのプログラムが暴走しだした。

おそらくカウンセラー・ソードさんもアカブロを食らったのだろう。

いや、ひょっとしたらアカバンかもしれない。

今は何が起こってもおかしくないから...。



それにしても、これから一体どうすればいいのだろう?

じっとしていても仕方がない。





エクソダイバー「どわわわわっ!!」

どうやら暴走の被害が加速度を増してるようだ。

時間はない。急げ!

我々のブリタニアを守るために。



(続く)

















ヽ(´ー`)ノマターリ





カフェブレーメン管理人からのコメント

今回のお話は、私の作品ではなく、投稿された物となっています。
作者が変われば作風も変わる。
いつもとは一風変わったUsOショットをお楽しみ頂けたでしょうか?
といってもまだこれで終わりではありません。
中編、後編をお楽しみに!


注:特に投稿を受けつけてるわけではありません、
今回は特別です(^^;

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